安川電機(6506)-2026年2月期2Q決算分析
1. 概要
✨ 上期実績は売上収益2,602億円(前年比▲0.5%)・営業利益233億円(+1.8%)/OPM9.0%、税引前利益252億円(+3.2%)、親会社帰属中間利益182億円(+2.2%)。新規受注を確実に売上へ転換し、想定を上回る着地。
🧠 セグメントは、モーションコントロール売上1,128億円(▲5.5%)・営業利益120億円(+9.2% / 10.7%)と付加価値改善+間接費抑制で増益化。ロボットは売上1,192億円(+6.4%)・営業利益105億円(わずかに減少 / 8.8%)で、一時的ミックス悪化が影響。システムエンジニアリングは売上187億円(+0.5%)・営業利益19億円(10.4%)と鉄鋼関連が牽引。
🌏 地域は日本・中国・アジアが増収、米州・欧州が減収。2Q受注は**YoY+6% / QoQ+5%**と改善、SEが牽引。
2. 2026年2月期 通期見通し
📊 ガイダンス上方修正:売上収益5,250億円(前5,150)、営業利益480億円(前430)。米国関税の不透明感は継続も、上期実績と足元の需要改善を踏まえ増額。為替前提は据え置き、年間配当68円は変更なし。
💬 利益ブリッジは、付加価値増+売上増で総間接費増・為替影響を吸収する想定。セグメントではモーションの利益成長、ロボットはOPMを9%台へ。
3. セグメント別動向(上期実績)
⚙️ モーションコントロール:ACサーボは日本の電子部品向けが伸長、インバータは米国の太陽光・空調向け堅調もオイル・ガス向け減で減収。価格・ミックス改善とコスト抑制で増益。
🤖 ロボット:中国・アジアの自動車投資が堅調で増収も、一時的案件ミックスで利益率はやや低下。第5工場の本格稼働準備やAIロボティクス訴求を強化。
🏭 システムエンジニアリング:鉄鋼プラント関連の拡大で微増収・採算改善。上下水道・港湾は一部弱含みもOPM10%台を確保。
4. 事業アップデート / 投資
🚀 生産力強化:ロボット第5工場竣工(6/16)、**米国新キャンパス(本社・開発・生産集約)**で供給体制を再構築。
🧪 開発強化:ヒューマノイド領域に適したアクチュエータ開発、東京ロボティクスの100%子会社化で技術蓄積を加速。
🧫 新領域:アステラス製薬と細胞医療製造のJV契約、農業ロボ(きゅうり・いちご)の製品化を進行。データセンター冷却(CDU)向けインバータ拡販などメカトロ応用を拡大。
5. リスクと成長要因
🚨 リスク:米国関税政策の不確実性、欧米の設備投資サイクル鈍化、案件ミックスや為替による利益率ブレ。
🌟 成長要因:中国・アジアの自動車投資と電子部品向け回復、付加価値改善によるモーションOPレバレッジ、鉄鋼プラントを中心としたSEの安定収益、生産・開発投資による中期供給力の拡張。
6. 総合評価
📊 総合評価: やや良好
✅ 2Q受注の持ち直しとガイダンス増額でボトム確認の色合いが強まる。モーションの付加価値改善が利益率を下支え。
🚧 一方で、米州・欧州の軟調と米関税の不透明感は依然として上値抑制要因。H2の受注継続改善とロボットOPMの回復が評価軸。
→ 安川電機(6506)は、モーションの収益改善とSEの安定性を土台に、ロボットの新拠点・新領域投資で次の成長段階へ。受注モメンタムの継続と関税・欧米需要の見極めが、上振れ余地を決める。
投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。