竹内製作所(6432)-2026年2月期2Q決算分析

1. 概要(2026年2月期・上期)

売上高1,141億円(前年同期比+4.1%)アフターパーツ90.8億円(+5.6%)でストック収益が拡大。営業利益234億円(▲5.9%)経常利益237億円(+2.2%)親会社純利益171億円(+1.2%)
🌍 地域北米+0.7%(633.7億円・構成55.5%)、**欧州+7.2%(468.9億円・構成41.1%)**が牽引。日本▲25.2%(7.4億円)は縮小も、アジア・オセアニア+40.5%(16.2億円)その他+83.1%(14.9億円)が補完。
🧱 受注残高
784.2億円(▲46.1%)へ低下し、供給正常化と受注消化が進展。受注高は上期で微増(+1.3%)と足元は安定。
💱 為替は期中平均で
USD145.8/EUR167.4/GBP196.9
。為替の逆風、人的資本投資の増関税コストが利益を圧迫する一方、数量・ミックス改善
販管費抑制
が下支え。

2. 2026年2月期 通期見通し

📊 売上高2,230億円(+4.6%)営業利益380億円(+2.3%)経常利益373億円(+4.8%)、**純利益264億円(+1.1%)**を計画。アフターパーツ売上177.7億円(+2.3%)を見込む。
🧮 利益ブリッジ(通期)では、数量・ミックス/値上げ販管費減少がプラス寄与。為替影響
コストアップ(原価・人件費)
前期の原材料評価減の縮小がマイナス要因。一方、下期は関税の価格転嫁で約26億円の改善見込みとし、上期の関税コストを巻き返す前提。

3. 地域・製品の注目点

🚚 北米は建機需要の底堅さが継続し、ディーラーネットワークの在庫正常化で安定推移。欧州は再開発・インフラ需要の回復基調が寄与し、価格・製品ミックスの改善も進む。
🛠️ アフターパーツの伸長は稼働台数の積み上がりと供給安定化の反映。電動(電池式)ショベルは構成比はまだ小さいが、上期は一時的ミックス要因として利益にマイナス寄与。

4. 収益性ブリッジ(上期実績の示唆)

📉 営業利益は前年同期比▲14.6億円。マイナス要因は為替影響人的投資関税コスト原材料評価減の縮小。プラスは販売台数・ミックス販管費の減少、その他の効率化。通期では関税価格転嫁ミックス改善でOPMの底上げを狙う構図。

5. リスクと成長要因

🚨 リスクは、①為替(円高時の円換算利益圧迫)、②関税・通商の変動、③欧米需要の循環、④原材料価格人件費の上振れ。
🌟 成長要因は、①欧州・北米中心の堅調需要、②アフターパーツ拡大による収益安定化、③電動化製品のラインアップ強化、④供給正常化による受注残の健全化。

6. 総合評価

📊 総合評価: やや良好
売上は増収、利益は上期一時的なコスト要因で抑制も、通期は関税転嫁・ミックス改善で増益計画
受注残の健全化アフターパーツの伸長で収益の質は維持。欧州回復と北米の底堅さが当面の牽引役。
🚧 一方、為替・通商の不確実性と人件費・原価の上振れはボラティリティ要因。下期の価格転嫁実行とOPM持ち直しが評価ポイント。

→ 竹内製作所(6432)は、需要の厚い欧米を軸に数量・ミックスとアフターパーツで稼ぐ力を維持しつつ、下期の関税転嫁で利益率を回復させる局面にある。

投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。