商船三井(9104)-2026年3月期2Q決算

1. 概要(2025年度上期:4–9月)

売上高: 8,697億円(前回見通し8,710億円に対し▲12億円)
💹 経常損益: 1,146億円(+96億円の上振れ); 事業損益 1,096億円(+46億円); 親会社株主に帰属する当期純損益 1,162億円(+42億円)
🧭 ドライバー: エネルギー(タンカー/LNG・エタン船/FPSO)と自動車船が堅調、ドライバルクは減価償却減も寄与。一方でコンテナ市況の下落が製品輸送の重荷。
💱 前提: 上期為替146.09円/US$、燃料(全油種)546$/MT。

2. 2026年3月期 通期見通し(修正)

📉 通期ガイダンス: 売上高1兆7,500億円(+190億円); 経常損益1,520億円(▲180億円); 親会社純利益1,800億円(▲200億円)。
📈 為替・燃料前提: 通期平均145.75円/US$(前回141.77円)、VLSFO平均505$/MT感応度1円/$で経常±12億円$1/MTで±0.5億円
💸 株主還元: 配当200円/株(中間85円・期末115円へ+25円増配)。

3. セグメント別トーン(投資家視点)

⛴️ 製品輸送: 通期経常880億円へ下方(▲180億円)。コンテナ250億円(▲170億円)へ大幅下方—新造船供給で主要航路の運賃が弱含み。自動車船は港混雑緩和と稼働率改善で見通し上振れ。
🛢️ エネルギー: 通期650億円(+10億円)に小幅上方。原油タンカー堅調、FPSOは長期契約で安定、LNG・エタン船は長期貸船がベースに。
ドライバルク: 通期10億円へ上方(+20億円)。ケープは鉄鉱石・ボーキサイト出荷、パナマックス以下は穀物が下支え。減価償却の見直し効果も。
🏨 ウェルビーイングライフ(不動産・フェリー/内航・クルーズ): 通期▲20億円へ下方(▲40億円)。ダイビルは新規海外物件寄与で50億円へ上方も、クルーズの稼働/集客遅れが重石。
🔗 関連事業(曳船・商社等): 通期20億円に上方(+10億円)。

4. 市況/リスクと注目点

🌊 市況: CCFIは北米・欧州向けとも上期平均で下落、足元も需給悪化が継続。タンカーは地政学・新造供給限定で底堅く、LNG/LPGは長期契約中心で安定。
⚠️ リスク: コンテナの供給増とピーク後のスポット運賃調整長期化、米国通商政策の変化、燃料価格/為替の変動、クルーズ集客の回復遅延。
🔭 注目: 自動車船の新造投入・最適配船で稼働効率改善、FPSO/LNG等の長契ストックで底を固めつつ、コンテナはコスト/配船最適化ONEの運賃動向が鍵。

5. 総合評価

📊 総合評価: 中立
エネルギーと自動車船の堅調で上期は計画超、長期契約ストックの強みは健在。
🚨 一方、コンテナ市況悪化で通期は下方修正配当200円は下支えも、下期はコンテナの運賃/配船最適化自動車船の効率改善の継続が焦点。

→ 商船三井(9104)は、「エネルギー×長契」と「自動車船の効率化」で底を固めつつ、コンテナのボラティリティをいなす局面。配当増額で還元は強化され、足元の市況調整を乗り切れるかが評価の分岐点。

投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。