スパークス・グループ(8739)-2026年3月期2Q決算

1. 概要(2025/4–9 上期)

AUM2兆1,124億円と過去最高、平均AUM1兆9,955億円(+3.7%)営業収益86.4億円(▲0.9%)営業利益は**36.8億円(+0.5%)**で微増益。OPM42.6%純利益28.8億円(+26.1%)、**ROE16.9%(+2.4pt)**と収益性は良好。
💸 収益ドライバーは、**残高報酬(手数料控除後)63.95億円(▲1.5%)**に対し、成功報酬7.36億円(+21.7%)が寄与。残高報酬料率0.65%(▲0.03pt)とわずかに低下する一方、基礎収益33.93億円(▲5.0%)は経常的経費の増で抑制。
🏦 費用面
営業費用・販管費49.62億円(▲1.8%)
、内訳は
支払手数料14.49億円(▲5.0%)
人件費17.65億円(▲2.1%)・**減価償却1.64億円(+70.9%)**など。**自己資本比率68.8%**で財務余力は十分。

2. 投資戦略別の現況

🇯🇵 日本株式AUM1兆4,625億円(+13.2%)長期厳選中小型が牽引し、四半期成功報酬も増加。市場の広がりを背景に欧州・アジアでの販売強化と新規海外ファンドを準備。
🌏 OneAsiaAUM1,674億円(+60.5%)。韓国籍ファンドが高パフォーマンスを継続し、米・アジア機関投資家向けの新規組成に注力。
🔋 実物資産(再エネ/蓄電)AUM3,146億円(+4.1%)。全国348件の発電案件に加え、水戸50MW/175.5MWh浜松30MW/110.3MWhの蓄電所に参画し、蓄電×市場取引モデルで拡大。
🚀 プライベート・エクイティAUM1,677億円(▲3.0%)。既存ファンドの回収進展で見かけ減も、未来創生4号日本モノづくり未来2号など後継組成を推進、VC/BOの複線化でAUM再成長を狙う。

3. 見通しと投資家視点

🧭 堅調なAUM拡大×高収益モデルで、成功報酬の上振れ余地を保持。足元は料率低下経常的経費の増加が基礎収益の伸びを抑える一方、日本株・韓国株の資金流入再エネ/蓄電の案件積み上げが収益機会を広げる。
🏗️ PMI/商品戦略では、投信はリテール販売網の深耕、機関投資家は海外でのプロダクト拡充が鍵。PEの後継ファンドと**GX領域(蓄電/新エネ)**の拡大が中期のAUMドライバー。

4. リスクとカタリスト

⚠️ リスクは、株式市況変動によるAUM・料率のスプレッド圧縮、成功報酬の期ズレ/変動性、人件費・IT/オフィス等の固定費上昇、再エネ・蓄電の開発/市場価格リスク、PEのファンドレイズ進捗
🚀 カタリストは、①海外機関投資家向け日本株/OneAsiaの新規設定、②蓄電所案件の順次商業運転入りとストラクチャリング収益、③未来創生4号/ものづくり2号クロージング、④成功報酬の積み上がりAUM 3兆円ロードマップの進捗。

5. 総合評価

📊 総合評価: やや良好
AUM過去最高・ROE16.9%・OPM42.6%で収益基盤は堅い。成功報酬の増加OneAsia/再エネ蓄電の拡張で事業の厚みが増している。
🚨 一方で残高報酬料率の低下経常的経費の増基礎収益の伸びを抑制。PE後継ファンドのレイズ実行蓄電案件のマネタイズが評価上振れの分岐点。

→ スパークス・グループ(8739)は、上場株式×OneAsia×再エネ/蓄電×PEのハイブリッドでボラティリティを抑えつつAUMを積み上げ、成功報酬と新領域投資で“質の成長”を図る局面にある。

投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。