ソニーグループ(6758)-2026年3月期2Q決算
1. 概要(2025/7–9 2Q・継続事業)
✨ 売上 3兆1,079億円(+5%)・営業利益 4,290億円(+10%)・純利益 3,114億円(+7%)。営業利益率 13.8%(+0.7pt)。為替は平均USD/JPY 147.4・EUR/JPY 172.2。
🧠 牽引役はI&SS(モバイル向け大判化×数量増で増収増益)と音楽(ストリーミング・映像メディア/プラットフォームの伸長)。G&NSはネットワークサービスとソフトが堅調ながら、Bungie関連損失等の一時費用で減益。
🎬 映画は劇場公開の反動で減益も、Crunchyrollの増収で下支え。ET&Sはディスプレイ減や関税影響で減益だが、費用コントロールは継続。
🏦 SFGIスピンオフ後、金融は非継続事業に区分。3Q以降は持分法損益を営業損益に算入予定で、見通し管理の透明性が向上。
2. 通期見通し・資本政策(2026年3月期)
📈 会社計画: 売上12.0兆円(+3,000億円上方)、営業利益1.43兆円(+1,000億円上方)、純利益1.05兆円(+800億円上方)。営業CF1.5兆円へ上方。
🛃 関税影響試算は▲500億円へ縮小(前回▲700億円)。分野別ではG&NS▲300億円、ET&S▲200億円を織り込む。
💸 配当: 年間25円(中間12.5/期末12.5、株式分割後換算)を予定。バランスシートの柔軟性を維持しつつ、成長投資と還元の両立を継続。
3. セグメント別トピック(投資家視点)
🎮 G&NS: 2Q 売上1兆1,132億円/OP 1,204億円。ネットワークサービス/ソフト伸長、ハードの損失縮小が進む一方、Bungie減損・開発費計上の修正が利益を押し下げ。下期はネットワークとソフト増勢継続が前提。
🎵 音楽: 2Q 売上5,424億円/OP 1,154億円。制作・出版ともストリーミングが2桁成長、映像メディア/プラットフォーム(劇場版IP等)も寄与。通期は売上+1,100億円/OP+250億円の上方。
🎥 映画: 2Q 売上3,460億円/OP 139億円。前年の劇場ヒット反動で減益も、Crunchyroll好調が補完。通期は横ばい計画。
📺 ET&S: 2Q 売上5,757億円/OP 610億円。ディスプレイ減と関税▲で下押し、費用/在庫規律で吸収を図る。通期OPは▲200億円下方。
📸 I&SS: 2Q 売上6,146億円/OP 1,383億円。モバイル大判化×数量増で単価・ミックス改善、通期OP+300億円へ上方。前倒し需要の可能性を織りつつ慎重に運営。
4. リスクとカタリスト
⚠️ リスク: 米関税の長期化・変動、中国/米の需要鈍化、為替、ゲーム開発費・減損の変動、イメージング市場の補助金剥落。
🚀 カタリスト: I&SSの高付加価値化/数量増、音楽のストリーミング2桁伸長、ネットワークサービスARPUの上昇、Crunchyrollの会員増×IP活用、費用逓減と在庫規律。
5. 総合評価
📊 総合評価: 良好
✅ I&SSと音楽が牽引し、通期上方修正・関税影響縮小で業績の下振れ耐性が強化。ネットワーク/サブスクの継続収益も追い風。
🚨 留意点はG&NSの一時費用・タイトル波形とET&Sの関税影響。H2の費用規律×在庫回転とI&SSの需要持続が来期のマルチプルに直結。
→ ソニーグループ(6758)は、I&SSと音楽の構造成長にネットワーク収益を重ね、関税逆風の逓減と費用規律で“利益の質”を引き上げつつ、株主価値の持続的な伸長を狙う。
投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。