SOMPOホールディングス(8630)-2026年3月期1Q決算分析

1. 概要

修正連結利益997億円(前年同期比+257億円、進捗28%)で好調、連結純利益1,185億円(進捗35%)。牽引役は国内損保の収益性改善海外保険の運用益増。為替は平均USD/JPY 143.75(前年158.24)で逆風も、保険収益・運用の両面で吸収した。
🚗 国内損保(損保ジャパン)保険収益5,093億円(+208億円)保険サービス損益200億円(+362億円)へ改善。コンバインド・レシオ96.1%(▲7.2pt)と順調で、前年の4月雹災277億円剥落が効きつつ、自動車・火災のベース収支も改善。政策株式削減1,049億円と資本効率対応も前倒し。
🌎 海外保険(SIH)保険収益+9%コンバインド・レシオ94.0%(▲3.0pt)と引受良化。コマーシャルでの大口事故はあったが、再保険やコンシューマーの改善と資産運用利益360百万ドルが補った。
💚 国内生保(ひまわり生命)修正利益142億円(+3億円)と着実、一般勘定資産運用利益142億円でヘッジコストの圧縮が寄与。CSM残高は期末7,265億円と堅調。
🏥 介護売上455億円(+11億円)・修正利益21億円(+6億円)、**入居率93.8%まで改善し、価格・人件費上昇を生産性と補助金でオフセット。
🛡️ 資本
ESR264.8%(+8.8pt)**へ上昇。株式・金利リスク圧縮と利益積み上げが寄与し、規律ある成長投資余地を確保。

2. 2026年3月期 通期見通し(会社計画)

📊 修正連結利益3,630億円・連結純利益3,350億円の通期見通しは据え置き。Q1進捗は修正連結利益28%、連結純利益35%で、海外保険の増益見通しと国内損保の収支改善継続が前提。SJ-RのE/Iコンバインド・レシオ95%未満政策株式年間2,000億円削減計画も進捗良好。

3. セグメント動向(1Q)

🚙 国内損保(IFRS)修正利益340億円(+168億円)保険収益は商品改定や新種拡販で5,093億円損害率61.6%(▲6.6pt)・事業費率34.5%(▲0.6pt)へ改善。自動車損害率66.1%(▲6.1pt)火災51.1%(▲18.7pt)と幅広く良化。資産運用利益360億円(+9億円)
🌐 海外保険(IFRS17)修正利益376百万ドル(+79)保険収益3,899百万ドル(+9%)再保険の自然災害影響低下
トルコ自動車の不利契約解消
コンバインド・レシオ94.0%
。運用は金利収入増・再投資利回り上昇で堅調。
🩺 国内生保修正利益142億円(+3億円)保有契約年換算保険料+33億円と積み上がり、一般勘定運用142億円(+10億円)
👵 介護修正利益21億円(+6億円)入居率93.8%、年度末**95%**を見込む。

4. 経営・資本政策アップデート

🏯 政策株式削減1,049億円と前倒し進捗、中計累計5,342億円。市場リスク低減とROE押上げの両立を継続。
📈 KPISJ-R収支改善(E/I 93.8%)や海外の地理的拡大が寄与、修正EPS年率+12%超・**修正ROE13–15%**目標に整合的。
🧰 為替・金利は円高・金利変動に注意しつつ、デュレーションとヘッジでALMを維持。

5. リスクと成長要因

⚠️ リスクは、①自然災害・大口事故の発生頻度上振れ、②海外の地域別事故偏在、③金利・為替の急変動と運用損益のブレ、④政策株式売却環境、⑤介護の人件費上昇。
🌟 成長要因は、①国内損保の商品改定とベース収支改善の持続、②海外での選択的成長と価格・条件の適正化、③生保の保有積み上げとCSMの堅調推移、④介護の入居率改善と生産性向上、⑤政策株式削減とALM最適化による資本効率改善

6. 総合評価

📊 総合評価: 良好
✅ Q1は修正連結利益・純利益ともに順調な進捗で、国内損保の引受改善と海外の運用・CR改善が同時に寄与。ESR上昇と政策株式削減で資本面の手当ても前倒し。
🚨 一方で、自然災害の季節性と海外の大口事故のブレは引き続きの監視点。通期据え置きの中、国内損保のCR着地と海外の引受規律が上振れ余地の鍵となる。

→ SOMPOホールディングス(8630)は、国内の収支改善・海外の安定成長・資本効率化を三位一体で進め、修正ROE13–15%レンジの達成に向けた実行力を示す四半期となった。

投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。