三井住友フィナンシャルグループ(8316)-2026年3月期2Q決算

1. 概要(2025/4–9 中間期)

連結: 粗利益2兆2,987億円業務純益1兆2,780億円親会社株主中間純利益1兆2,755億円で高水準。円金利上昇を捉えた資金利益の増加と、法人・投資銀行/ウェルスマネジメントの手数料が牽引。
🧾 与信: **与信関係費用▲9,016億円規模(連結)**の中で、**NPL比率0.76%(連結)/0.49%(銀行単体)**と健全性は落ち着き。保全率や引当の積み上げも適切に機能。
🛡️ 自己資本: 総自己資本比率15.62%Tier1比率14.59%普通株式等Tier1(CET1)12.59%、**レバレッジ比率5.17%**と規制水準を十分に上回る。ROE(株主資本ベース)16.3%

2. 2026年3月期 通期見通し・株主還元

📈 通期目標(会社計画): 連結業務純益2.05兆円経常利益2.11兆円親会社株主当期純利益1.5兆円。市場部門のボラはあるが、国内利鞘改善・手数料の底堅さで達成を狙う。
💸 配当: **年間157円(中間78円)**を掲示(24年度実績122円相当比で増配基調)。資本政策は自己資本の健全性と株主還元のバランス重視。

3. ビジネストピック(投資家視点)

🏪 リテール/WM: 預貸スプレッドの改善と投資信託・年金/保険の取り扱い拡大で収益を積み上げ。デジタル施策による口座・AUMの増勢が継続。
🏢 法人・投資銀行(GCIB): M&A/資金調達、PF、外債引受などイベント系の案件獲得で手数料を確保。北米・アジアの案件ポートが底支え。
📊 市場/トレジャリー: 金利・為替の変動影響は受けるが、ALM運営とヘッジで平準化。債券ポートは繰延ヘッジ・デュレーション管理で評価変動を抑制。

4. リスクと注目点

⚠️ リスク: 金利/為替の急変、クレジットスプレッド拡大による市場部門の収益変動、特定地域の与信悪化、RWAの上昇圧力。
🔎 注目: 国内金利正常化の進度と預貸金利回差の定着手数料ビジネスの伸び資本政策(自己株の機動活用/配当方針)CET1レンジの運営

5. 総合評価

📊 総合評価: 良好
金利・手数料の二軸で高水準の業績を維持し、ROE16%台/CET1 12%台と資本効率・健全性のバランスが良い。年間157円配当は還元姿勢の明確化で評価。
🚨 短期は市場部門のボラ海外与信の個別案件リスクが主なブレ要因。国内利鞘改善の持続性非金利収益の積み上げが来期以降のEPSドライバー。

→ 三井住友フィナンシャルグループ(8316)は、国内金利正常化と手数料領域の拡大、規律ある資本政策を梃子に“利益の質×資本効率”を高め、中期的な株主価値の逓増を狙う。

投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。