島津製作所(7701)-2026年3月期2Q決算

1. 概要(2025/4–9 中間期)

連結: 売上2,563億円(+2%)営業利益316億円(+4%)営業利益率12.3%純利益236億円(+11%)。増収に伴う粗利拡大と付加価値訴求が寄与し、研究開発・人財投資の積み増しを吸収。
🧭 セグメント: 計測は重点機種(LC/MS/GC)と試験機が伸長し売上過去最高航空は民航好調で売上・OPとも過去最高医用は期初受注残が薄く減収減益だが2Qで回復、産業は工業炉の悪化で減収減益。
🌍 地域: 日本・米州・その他アジアで増収中国は官需回復の兆しがある一方で民需は鈍い。海外売上比率は58.7%
💴 関税・コスト: 関税の直接・間接影響で営業利益▲の逆風を生産効率改善と価格・ミックスで相殺。研究開発費・DX投資は継続的に増額。

2. 2026年3月期 通期見通し・株主還元

📈 通期予想売上5,450億円(期初比+300億円)営業利益720億円(同+140億円)上方修正。為替前提はUSD/JPY 145・EUR/JPY 165。関税影響見込みは売上▲50億円・営業▲48億円に縮小。
💸 配当年間67円(中間27・期末40)を計画し、12期連続増配配当性向30%以上の方針を堅持。自己資本比率は76%台で財務健全性は高い。

3. セグメント着眼点(投資家視点)

🧫 計測: LC/MS/GCの新製品効果×リカーリング強化で高成長・高採算を持続。北米の臨床/製薬、アジアの官需が牽引し、6期連続の売上最高を狙う。
🏥 医用: X線TV・血管撮影は新製品で北米/ASEANが堅調。欧州・中国は規制・官需停滞が残るが、リカーリング比率上昇で底堅さを確保。
🏭 産業: TMP(ターボ分子ポンプ)リカーリングは伸長、油圧は日本の産業車両向けが堅調。EV向け工業炉の鈍化が重石。
✈️ 航空: 民航の補用品/搭載品が好調、防衛は需要拡大もサプライ面の制約に注意。OP率は高水準を維持

4. リスクと成長要因

⚠️ リスク: 関税・為替欧州・中国の需要回復の遅れ半導体製造装置向けの変動研究開発費の先行増
🚀 成長: PFAS/薬典改訂/臨床検査など規制・医療起点のテーマにソリューション+新製品で攻め、リカーリング(保守・消耗品)の底上げで収益の粘り強さを向上。

5. 総合評価

📊 総合評価: 良好
計測の構造的成長×航空の利益体質改善利益率12%台を維持、通期上方×連続増配が株主リターンの見通しを強める。
🚨 医用・産業の回復速度中国/欧州の需要波形がブレ要因。新製品の立上げとリカーリング比率の継続的上昇が中期のEPS成長を左右。

→ 島津製作所(7701)は、計測の新製品×臨床/製薬ソリューションとリカーリング強化で“成長の質”を高め、航空の過去最高益と合わせて通期上方修正と増配で株主価値の着実な積み上げを狙う。

投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。