セコム(9735)-2026年3月期2Q決算

1. 概要(2025/4–9 2Q累計)

連結: 売上高5,935億円(+6.0%)営業利益674億円(+14.2%)経常利益790億円(▲5.4%)純利益491億円(▲2.6%)。売上は過去最高、投資事業組合の運用益減で経常は一服。
🧩 ドライバー: セキュリティのオンライン監視の販売堅調と値上げ効果常駐警備の増収防災の火災報知設備メディカルの機器・医薬品販売とインド病院の増収
📶 契約件数: グループ合計384.3万件(国内事業所107.6万件、国内家庭119.4万件、国内その他106.9万件、海外50.4万件)。年度末見通しは389.6万件
💵 財務・CF: 営業CF1,214億円フリーCF1,003億円自己株式は期中に448億円増加(5月決議で約831.7万株取得)。自己資本比率59.6%流動比率258.9%
💸 配当: 中間50円・期末50円を予定(株式分割考慮済表示)。

2. 通期見通し(FY2025=2026/3期)

📈 会社計画: 売上1兆2,510億円(+4.3%)営業利益1,500億円(+4.0%)経常利益1,687億円(▲3.7%)純利益1,034億円(▲4.4%)セキュリティと防災の拡大BPO・ICTの設備投資負担を織り込み。
🧭 運営方針: 価格と価値の連動(値上げの定着)海外含む契約基盤の拡大データセンター立ち上げの吸収万博警備や大型案件で認知と信用を強化

3. セグメント動向(2Q累計)

🛡️ セキュリティサービス: 売上3,243億円(+6.4%)・営業利益614億円(+9.3%)。オンライン監視の販売堅調と値上げ、常駐警備、セキュリティ機器販売が寄与。
🔥 防災: 売上774億円(+4.9%)・営業利益45億円(+1.0%)。火災報知設備などが増収。建設寄与が大きく期末寄りの収益構造。
🏥 メディカルサービス: 売上450億円(+5.9%)・営業利益33億円(+20.8%)。機器・医薬品の販売とインド病院の増収が牽引。
🛡️ 保険: 売上306億円(+8.5%)・営業利益41億円(+82.7%)。がん保険と自動車保険が好調、自然災害損害の減少も追い風。
🗺️ 地理空間情報: 売上223億円(+4.0%)・営業損失19億円。官公庁納品の期末偏重で、通期黒字化前提。
💻 BPO・ICT: 売上648億円(+2.8%)・営業利益40億円(横ばい)。サーバ等の販売増も、新データセンターのコスト増で利益は抑制。
🧰 その他: 売上290億円(+10.2%)・営業利益40億円(+15.0%)

4. リスクと成長要因

⚠️ リスク: 投資運用損益の変動人件費・設備投資の増加地理空間や防災の期末集中為替・金利海外子会社のガバナンス
🚀 成長要因: 価格改定の定着と契約件数の積み上げ装置販売や常駐警備の受注拡大防災・BPOの大型案件メディカルの事業拡大(家庭向けAEDや海外病院)自社株買いと安定配当による1株価値の押上げ

5. 総合評価

📊 総合評価: やや良好
売上過去最高×営業増益で基調は堅調。セキュリティの値上げ定着と装置・常駐の伸び保険の改善が確認できる。高い自己資本比率×強い営業CF自社株買い+配当も投資家フレンドリー。
🚨 一方、投資運用益のブレデータセンター等のコスト吸収期末偏重セグメントの計上波形は注視。価格規律と稼働の両立が来期マージンの焦点。

→ セコム(9735)は、国内外の契約基盤と価格規律を軸に、防災・メディカル・BPOを重ねる多層収益モデルを強化。堅牢なBSと潤沢な営業CFを背景に、安定配当と機動的な自社株で株主価値の逓増を狙う。

投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。