サンリオ(8136)-2026年3月期2Q決算
1. 概要(2025/4–9 上期)
✨ 連結は売上876.8億円(+39.6%)、営業利益391.8億円(+66.1%)、調整後営業利益371.3億円(+49.9%)、粗利率80.4%(+3.4pts)と高い収益性で過去最高を更新。
🏬 日本は物販・ライセンス・テーマパークの三位一体で伸長し、売上675.8億円(+33.1%)、調整後営業利益254.3億円(+53.3%)。購入客数・客単価とも上昇、インバウンド比率は低下する一方で国内需要が主役に。
🌏 海外は欧州売上46.6億円(+128%)・**アジア222.9億円(+63%)と大幅伸長、米州123.3億円(+16%)は増収だが調整後営業利益は減益(投資先行・販管費増)。
💸 販管費は312.8億円(+26.3%)**と計画的に積み増しつつ、EBITDA404.6億円(+64.1%)でキャッシュ創出も拡大。
🏦 財務はネットキャッシュ1,068億円、**自己資本比率67.2%**へ改善し、成長投資と株主還元の両立余地が大きい。
2. 2026年3月期 通期見通し・株主還元
📈 会社計画を上方修正し、売上1,843億円(+27.2%)、営業利益702億円(+35.5%)、調整後営業利益696億円(+25.1%)、純利益494億円へ。SG&Aは下期も戦略的に積み増しつつ成長を優先。
💰 配当は年間62円(中間31・期末31)へ増配。強固な手元資金を背景に、露出投資・接点投資・デジタル/映像/ゲームへの投資を継続。
3. 事業トピック(投資家視点)
🎌 日本のけん引力は万博コラボ、限定シリーズ、オペ改善で客数×単価を同時に押上げ。ライセンスは大手パートナーとの協業深耕で高ROICを確保。
🐼 中国/アジアの拡大はAlifish経由のライセンシー拡大と潮玩(トレンディトイ)市場の追い風で継続。直営・FCの多店舗展開と複数キャラ戦略がロイヤリティの厚みを増す。
🇺🇸 北米はデジタル露出(YouTube/TikTok/Roblox等)を強化し、EC/アパレル/玩具のパイプを拡張。関税下でも増収だが、マーケ費の前倒しで利益は一時圧迫。
🎬 コンテンツ&接点投資として、IGポート提携・Gugenka子会社化・V-Puroland常設化・ゲーム6本パイプ・CoComelon国内マスター契約等を同時進行。2028年7月のハローキティ初のハリウッド映画は非連続な露出増の触媒。
🧮 管理会計KPI(調整後営業利益/貢献利益)の導入で、決算期相違の歪みを除去し、事業の実力把握とインセンティブ設計を高度化。
4. リスクと成長要因
⚠️ 主要リスクは米国関税の継続・変更、海賊版対策の徹底コスト、投資前倒しによる短期利益圧迫、中国の季節性/Q4の弱含み、為替・物流。
🚀 成長要因は高粗利ロイヤリティの積み上げ、複数キャラ戦略によるカテゴリ/地域の分散効果、ID戦略(Sanrio+)でのロイヤル顧客化、そして映像×ゲーム×LBE×ECの多層マネタイズ。
5. 総合評価
📊 総合評価: 良好
✅ 日本×中国の強い実需と欧州/アジアの加速、高粗利×強財務で上方修正と増配を両立。露出・接点・デジタルへの投資は中期LTV最大化に資する。
🚨 短期は北米の投資負担と関税・海賊版リスクに留意。KPI管理と投資回収のトラックが評価上振れの鍵。
→ サンリオ(8136)は、国内実需とアジア拡大にデジタル・映像・LBEを重ねた“IPプラットフォーマー化”で、ロイヤリティの厚みとID基盤を育成。高粗利と潤沢なキャッシュを原資に非連続成長へ備える局面にある。
投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。