PKSHA Technology(3993)-2025年9月期決算

1. 概要(2025年9月期 通期)

連結: 売上217.7億円(+28.9%)調整後EBITDA54.4億円(+31.5%)事業利益39.2億円(+25.6%)、親会社当期利益26.8億円(+28.8%)で計画超過の着地。
🧩 事業構成: AI Research & Solution売上128.9億円(+28.8%)・調整後EBITDA率
23.5%
AI SaaS売上90.5億円(+28.7%)・同43.8%と高収益を維持。
📈 SaaS KPI: ARR93.5億円(+37.7%)NRR108.2%、顧客数
4,465社
と拡大基調。既存顧客へのSolutionクロスセルで提供価値を積み増し。
🧠 需要環境: 生成AIの本格導入フェーズ入りでAIエージェント実装が進展、大型エンプラ案件社内EX領域への横展開が加速。

2. 2026年9月期 見通し・方針

🚀 新セグメント(Phase3.0): AI Solution / AI SaaS / AI Powered Workerの3事業体制に再編し、売上350億円・調整後EBITDA67億円・事業利益50億円を予想(増収増益)。
🧭 戦略: AIエージェント化の深化EX(社内業務)への横展開、**人×AIのプラットフォーム(Powered Worker)**で“働くほど精度と収益性が上がる”好循環を構築。M&A/資本連携も事業起点で活用。

3. 事業トピック(投資家視点)

🧬 AI Solution: 金融・製造を中心に長期継続型の積み上げモデルが効き、高単価案件の比率上昇で収益性改善。Physical AIや産業横断のエンジニアリングチェーン支援など適用領域を拡大。
💬 AI SaaS: コンタクトセンター(CX)でNo.1実装規模を背景に、社内ヘルプデスク等のEX領域へ拡大。SaaS基盤→SolutionのアップセルNRR>100%を継続。
👤 AI Powered Worker: 人×AIのプラットフォームとしてワーカーの生産性を底上げ、利用拡大=データ蓄積=精度向上のループで
中期の利益成長ドライバー
に育成。

4. リスクと成長要因

⚠️ リスク: 人材獲得/育成コストの先行、大型案件の進捗・検収時期の振れ競争環境(海外大手含む)M&AのPMIと一過性費用。
🚀 成長: 既存4,000社超の顧客基盤へのクロスセル、EX市場の開拓AIエージェントの行動能力拡張Powered Workerのプラットフォーム化によるARR・マージンの並行拡大

5. 総合評価

📊 総合評価: 良好
SaaS×Solutionの相乗で売上・利益とも2桁成長、ARR/NRRの質も高い。Phase3.0単価上昇とネットワーク効果を同時に狙う設計で、中期のEPS拡大に資するストーリーは明確。
🚨 短期は採用・R&D・PMIの先行投資が利益率の上押し/下押し要因になり得るため、大型案件の粗利管理Powered Workerの収益化KPIの開示に注目。

→ PKSHA Technology(3993)は、AIエージェント実装を核にSaaSとSolutionの共進化を加速し、Powered Workerで“働くほど収益性が高まる”構造を磨き上げ、売上規模と資本効率の同時拡大を狙う。

投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。