日本郵船(9101)-2026年3月期1Q決算分析

1. 概要

売上高: 6,009億円(前年比 ▲507億円)
💰 営業利益: 377億円(▲280億円); 経常利益 597億円(▲660億円)
🚨 親会社純利益: 520億円(▲581億円)
💴 為替レート: 145.32円/US$(▲9.70円)
燃料油価格: 578.6US$/MT(▲55.5US$)

2. 2026年3月期(FY2025)通期見通し

📊 売上高: 2兆3,500億円(前回比 ▲300億円)
💰 経常利益: 2,400億円(▲150億円); 純利益 2,400億円(▲100億円)
💵 年間配当: 235円(中間115円・期末120円)を維持
🔄 株主還元: 上限1,500億円の自己株買いを継続、取得済み約407億円(7月末時点)

3. セグメント別動向(1Q実績・経常利益)

📦 定期船(ONE持分含む): 128億円(▲408億円); 北米運賃下落と関税影響で急減益
🚗 自動車船: 294億円(▲83億円); 台数横ばいも円高と荷役費上昇が圧迫
⛏️ ドライバルク: ▲30億円(▲171億円); 市況下落とコスト増で赤字転落
エネルギー(VLCC・LNG・FPSO等): 164億円(+53億円); VLCC市況上昇とFPSO寄与
✈️ 航空運送(NCA): 22億円(▲12億円); 運賃・取扱量とも減少、8月に連結除外予定
📦 物流: 34億円(▲21億円); 米国ロジ軟調も海上貨物価格下落で一部改善

4. リスクと成長要因

🚨 リスク要因
💱 為替感応度: 円高1円で経常利益▲17億円
🛃 米中関税・貿易摩擦: 北米航路運賃・取扱量のボラティリティ要因
🌍 地政学リスク: 紅海・ホルムズ海峡情勢による航路長期化とコスト増
⚙️ 燃料市況: 燃料油価格10US$/MT上昇で経常利益▲3.4億円
🚀 成長要因
🔋 LNG長期契約: 中長期安定収益でキャッシュ創出
🤝 Waldenヘルスケア物流買収: 欧州医薬物流プラットフォーム獲得で非海運収益を拡大
🚗 自動車船更新: LNG燃料船投入で競争力・環境対応を強化

5. 総合評価

📊 総合評価: やや厳しい
✅ 自動車船・エネルギーが下支えし配当235円と大規模還元を維持
🚨 定期船市況急落と関税・為替変動で利益予想を下方修正、ドライバルク赤字が課題
🏗️ 非海運M&Aと長期契約船でポートフォリオ多角化を進める中、資本効率と安定収益化の進捗が注目

→ 日本郵船(9101)は、海運市況の逆風下でも還元姿勢を保ちつつ、LNG長期契約とヘルスケア物流買収を軸にポートフォリオ転換を進め、資本効率と企業価値の向上を図る。

投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。