村田製作所(6981)-2026年3月期1Q決算分析

1. 概要

売上収益: 4,162億円(前年比 ▲1.3%、為替影響除き +4.7%)
💰 営業利益: 616億円(前年比 ▲7.2%); 営業利益率 14.8%(▲0.9pts)
🚀 親会社帰属当期利益: 497億円(▲25.1%)
📈 受注高: 4,311億円(QoQ +4.7%); 受注残 3,025億円(BBレシオ 1.04)
🏭 為替前提: 1USD=144.6円(前年155.9円); 為替感応度 1円で営業利益 ±45億円

💡 評価:
📶 サーバー向けMLCC増でコンデンサ売上+7.9%、収益性を下支え
📱 スマホ向け高周波モジュール・樹脂多層基板の需要減でデバイス・モジュールが赤字継続
🔋 リチウム二次電池事業を再編しパワーツール在庫調整終了を見据える

2. 2026年3月期通期見通し

📊 売上収益: 1兆6,400億円(前年比 ▲5.9%)
💰 営業利益: 2,200億円(▲21.3%); 営業利益率 13.4%
📈 親会社純利益: 1,770億円(▲24.3%); ROIC(税後) 7.8%
🎯 配当: 年間60円(+3円、DOE5%目標)
🔄 自己株取得: 上限1,000億円(6月末までに374億円取得済)

💡 評価:
🚀 上期偏重の部品需要を織り込みつつ、AIサーバー・モビリティ需要で下期反動を吸収狙い
⚠️ 円高進行とスマホ需要反動減を保守的に見積もる慎重計画

3. セグメント別の動向(1Q実績)

(1) コンポーネント

🔌 売上: 2,740億円(+7.9% QoQ); 営業利益 712億円(利益率26.0%)
🌟 MLCC: サーバー・自動車向けが牽引し数量増。

(2) デバイス・モジュール

📡 売上: 1,426億円(▲15.4% QoQ); 営業損失 80億円(赤字幅横ばい)
📉 高周波モジュール/樹脂多層基板: スマホ・PC向け需要減少が続く。
🔋 リチウム二次電池: パワーツール在庫調整長期化で減収。

(3) その他

🛠️ 売上: 172億円; 損失 15億円; MEMS慣性力センサの減損影響縮小。

4. 2026年3月期のリスクと成長要因

🚨 リスク要因
📉 スマートフォン高周波部品の在庫調整と価格下落の長期化
💱 円高1円で営業利益▲45億円の為替感応度
🛃 関税・地政学リスクによるサプライチェーン混乱
📈 成長要因
🤖 AIデータセンター向け高容量MLCC・電源モジュール需要拡大
🚗 xEV化とADAS進展でインダクタ・センサの車載採用が加速
🏭 出雲・比など新工場投資で供給能力拡大と多元化を推進

5. 総合評価

📊 総合評価: 中立
サーバー・モビリティ向け好調でコンデンサ収益は堅調、AI需要が中期成長ドライバー
🚨 スマホ向け高周波モジュールの減速と円高が利益成長を抑制
🔄 投資加速と自己株取得を両立し、DOE5%を軸とした株主還元を継続

→ 村田製作所(6981)は、AIデータセンターとモビリティ領域でMLCC・電源モジュールの需要を取り込み、構造改革による収益基盤強化を進める。円高局面でも高付加価値製品と費用効率化で中期成長をめざす。

投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。