三菱重工業(7011)-2026年3月期2Q決算

1. 概要(2025/4–9 2Q累計)

受注高 3兆3,147億円(+9%); 売上収益 2兆1,137億円(+7%); 事業利益 1,715億円(マージン 8.1%); 親会社当期利益 1,149億円(+7%)。EBITDA 2,296億円(マージン 10.9%)、フリーCF 1,510億円とキャッシュ創出が大幅改善。受注残は約 11.5兆円に積み上がり、将来収益の見通しは良好。
🧭 ML(ロジスネクスト)を非継続事業に分類し、継続事業のKPIを明確化。表示区分の変更で売上・利益・BSの見え方を改善。
💴 財務は自己資本比率約 36%、D/E 約 0.23。純有利子はネットキャッシュ転換で資本効率が改善。

2. 通期見通し(2026年3月期)

📈 受注 6.1兆円、売上 4.8兆円、事業利益 3,900億円、親会社当期利益 2,300億円を見込む。配当は年間 24円(中間12・期末12)を予定。為替前提は USD/JPY 145、EUR/JPY 165
🔧 セグメント前提: エナジーは受注上方、売上 2.0兆円・事業利益 2,400億円。プラント・インフラは事業利益 700億円へ上方、物流・冷熱・ドライブシステムは 200億円へ下方、航空・防衛・宇宙は 1,400億円。

3. セグメント動向(投資家視点)

エナジー: GTCCが北米/アジアで強く、受注・売上・採算が改善。一方でスチームパワーは一部海外案件の工事損失で減益。原子力・航空エンジンの受注も堅調。
🏗️ プラント・インフラ: エンジニアリング受注は堅調、製鉄機械/機械システムが増収増益でセグメント利益を押上げ。
❄️ 物流・冷熱・ドライブシステム: エンジン/ターボは増益、冷熱は数量減と為替で減益。通期は売上・利益とも下方見通し。
🛰️ 航空・防衛・宇宙: 防衛・宇宙の順調な進捗787増産寄与で増収増益。足元は前年大型受注の反動で新規受注が減少も、高水準の受注残で視界は良好。

4. リスクとカタリスト

⚠️ リスク: 火力一部案件の採算悪化、為替・原材料、海外プロジェクト執行、物流・冷熱の市況/為替感応度、非継続事業整理に伴う一時損益の振れ。
🚀 カタリスト: GTCCの大型受注積上げ防衛の売上化進展原子力/航空エンジンの回復継続11.5兆円の受注残の着実な進捗。

5. 総合評価

📊 総合評価: 良好
GTCC/防衛・宇宙の強さ×高水準の受注残で通期ガイダンスの実現性は高い。CF創出の改善レバレッジ低下もポジティブ。
🚨 一方、火力プロジェクト損失物流・冷熱の下方修正は注意。非継続事業の整理完了・工事採算の安定化を確認できれば、マルチプルの見直し余地が広がる。

→ 三菱重工業(7011)は、エナジー(GTCC)と防衛・宇宙をエンジンに、積み上がった受注残の確実な売上化で利益成長を狙う局面。プロジェクト採算と再編の完遂を梃に、資本効率と安定成長の両立で株主価値向上を目指す。

投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。