マツダ(7261)-2026年3月期2Q決算
1. 概要(2025/4–9 上期)
✨ 連結: 売上2兆2,385億円、営業損失539億円(率▲2.4%)、当期純損失453億円。Q2単体の営業損失は78億円で、関税の引き下げタイミング影響を除けばブレークイーブン。
🚘 販売台数: 609千台(▲3%)。北米306千台(+1%)と日本68千台(+6%)が下支え、欧州74千台(▲17%)、豪州45千台(▲9%)が軟調。
💴 損益ブリッジ(上期/前年比): 台数・構成▲549、為替▲341、原材料・物流▲21を、コスト改善+104、固定費他+209で部分吸収。関税の特殊要因がマイナス寄与。
💧 キャッシュ/財務: 上期営業CF▲1,979億円、投資CF+471億円でFCF▲1,507億円。ネットキャッシュ2,512億円、自己資本比率43%。
2. 2026年3月期 通期見通し・資本政策
📈 会社計画据え置き: 売上4兆9,000億円、営業利益500億円(率1.0%)、経常680億円、純利益200億円。下期営業利益1,039億円で上期から約1,578億円の反転を見込む。
📦 台数見通し: 1,300千台(横ばい)。北米610千台(▲1%)、日本155千台(+2%)、欧州177千台(+2%)、中国76千台(+2%)。
💸 株主還元: 中間25円、年間55円の配当方針(前年同額)。
💱 為替前提: USD/JPY 147、EUR/JPY 171(下期ドル149/ユーロ174を想定)。
3. 事業トピック(投資家視点)
🧲 収益構造の転換: 出荷増×価格×車種ミックスの改善で下期約1,500億円規模の損益改善を計画。販売奨励金の抑制とラージ商品群の最大化が柱。
🇺🇸 北米: 需要は堅調だが競争的。インセンティブ抑制を維持しつつ、CX-50(HEV追加)とラージ商品で収益改善を狙う。
🇪🇺 欧州: MAZDA6eを9月上市、新型CX-5は2025年末投入で商品力を再強化。
🇨🇳 中国: EZ-6/EZ-60によるNEVラインアップの拡張で内燃車の減を補完、初期販売は計画超。
🧩 商品計画: 新型CX-5はE/Eアーキテクチャ+搭載でHMI/ADASを刷新、2025年末から段階発売。2027年中にSKYACTIV-Zと組み合わせた独自HEVを搭載予定。
4. リスクとカタリスト
⚠️ リスク: 通商・関税の不確実性、欧州/豪州の競争激化、為替(ドル/メキシコペソ)、原材料・物流費、FCFの回復遅延。
🚀 カタリスト: 下期の台数・ミックス改善の顕在化、関税率低減の定常化、ラージ商品群の伸長、新型CX-5投入とHEV拡張、**販売網再編(都市圏集中)**の成果。
5. 総合評価
📊 総合評価: やや厳しい
✅ 通期据え置きの前提として下期の大幅改善シナリオは合理性がある(台数・ミックス・価格の三拍子)。
🚨 ただし上期赤字・FCFマイナス、欧州/豪州の弱さ、通商環境の不確実性から達成確度には振れ幅。下期の黒字化実績と在庫/インセンティブの規律が再評価の前提。
→ マツダ(7261)は、ラージ商品群の収益寄与と北米の規律ある販売で下期反転を狙う局面。通商影響の平準化と新型CX-5/HEVの立ち上がり次第で、利益回復トレンドの定着が見えてくる。
投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。