Laboro.AI(5586)-2025年9月期決算
1. 概要(2025年9月期 通期)
✨ 連結実績は売上1,900百万円(前年比+25%)、売上総利益1,272百万円(粗利率67%)、営業利益191百万円(率10%)、当期純利益146百万円。4Q単体は売上522百万円・営利66百万円と過去最高水準に到達。一部案件の検収ずれで8月時点計画は未達だが、JV(X-AI.Labo)株式売却益で純利益は計画超。
🧠 事業構成は**カスタムAIソリューション(AI-SD/AGT-X)**がコア。最適化×生成AIに注力し、**エージェントAI(AGT-X)をセミカスタムで拡大。システム開発は売上12百万円・営業損失59百万円で立ち上げ段階。
📈 顧客ポートフォリオは研究開発型産業52%/社会基盤・生活者48%**へ分散。**上位3社比率29%**まで低下し集中度を抑制。新規顧客は11社を獲得し、4Qも前年超の売上成長を確保。
2. 2026年9月期 見通し
🚀 会社計画は売上2,486百万円(+31%)・売上総利益1,603百万円(率65%)・営業利益294百万円(率12%)・当期純利益201百万円。生成AI/最適化の二軸で市場成長率を上回る拡大を狙い、4Qからの検収ずれ分も1Qに取り込む想定。
👥 体制はAI-SD/AGT-X/ENG合計で+約50名の増強計画(SD+10、AX-P+6、ENG+20など)。採用・オンボード施策の改善で内定受諾の積み上がりは目標の約半分まで進捗。
3. 事業トピック(投資家視点)
🧩 プロダクト提供ではなく“カスタム”דセミカスタム”の二層でLTV最大化。VM(先行例のないテーマ)→VD(横展開)の型で知見・技術の再利用を進め、受託ながら粗利率67%を確保。4Qの粗利率は採用/外注増で低下(62%)も、案件獲得力と人員拡充の先行投資と位置づけ。
🧠 最適化×生成AIの勝ち筋(強化学習による制振/工程最適化、LLMによる潜在ニーズ探索・対話エージェント)で半導体・化学・建設・広告など大手アカウントへの深耕が進展。上位依存の低減が受注の耐性を高めている。
🔧 システム開発(子会社CAGLA)はUI/UX×知識グラフを強みとしてAGT-Xの下流実装を担い、26期はPM/デザイナ採用で黒字化を志向。
4. リスクと成長要因
⚠️ リスクは人件費・業務委託の先行負担による粗利率・OP率の変動、大口案件の検収時期依存、採用競争激化(ENG/AX-P)、セミカスタム領域での差別化持続。
🚀 成長要因はAGT-Xの立ち上げ加速、VM→VDの面展開による営業効率化、顧客分散と新規顧客の積み上げ、大手との協業深耕。+31%成長計画に対し、人員計画・案件パイプラインは足元順調に前倒し。
5. 総合評価
📊 総合評価: やや良好
✅ 売上+25%・4Q最高水準に加え、26期+31%増収・OP率12%計画と顧客分散を評価。JV解消に伴う純益上振れでBSも厚みが増した。
🚨 一方で粗利率の短期的な目減りと人員先行の固定費増、検収ずれの再発リスクは注視。AGT-Xの案件化速度×ENG採用進捗が通期達成の肝。
→ Laboro.AI(5586)は、最適化×生成AIのケイパビリティとVM→VDの拡大再生産を武器に、セミカスタム“エージェントAI”で規模と利益率の両立を狙う局面にある。
投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。