クボタ(6326)-2025年12月期3Q決算

1. 概要(2025年1–9月 / 3Q累計)

売上高 2兆2,043億円(前年比 ▲3.2%); 営業利益 2,147億円(▲22.0%); 税引前利益 2,278億円(▲20.9%); 親会社純利益 1,420億円(▲28.3%)。
🚜 **機械(売上1兆9,272億円)**は、北米▲1,135億円と関税影響で減収。日本は+317億円と堅調、欧州は底打ち、アジアはタイの農作物価格低下で軟調。
💧 水・環境(売上2,653億円)は増収。パイプシステム/産業機材/環境がそろって伸長。
💵 キャッシュフロー
営業CF 2,107億円(+601)/投資CF ▲1,096億円(+226)/FCF 1,012億円(+827)
北米小売金融プログラムの見直しと運転資金管理で改善。

2. 通期見通し・資本配分(会社見解)

📈 売上高は年央予想の達成見通し(アジアの減速を北米の懸念緩和で相殺)。
🧮 営業利益追加関税の逆風を前提にしつつ、価格・コスト改善で年央予想達成を見込む。
💧 フリーCF小売金融プログラム見直し×運転資金強化で前年からの改善継続を計画。

3. セグメント着眼点(投資家視点)

🛠️ 北米機械: 住宅・小口建設に底打ち感、レジデンシャル・建機の回復兆候。一方、関税による駆け込み需要/在庫に注意。販社在庫規律と値引き管理が鍵。
🏠 日本: トラクタ・作業機は堅調、価格維持×製品改良で限界利益を確保。公共・農業インフラの更新投資も追い風。
🌏 アジア: タイ中心に農作物価格下落で需要鈍化。新機種投入での置換需要取り込みで下支え。
🚰 水・環境: 耐震管更新/暑熱対策/国内工場回帰の需要で配管・空調が伸び、環境プラント/ポンプは人手不足による発注・工事遅延を織り込みつつ着実。

4. リスクとカタリスト

⚠️ リスク: 追加関税の長期化北米の需要回復遅延アジア(タイ)の農作物価格下落為替/原材料工事遅延
🚀 カタリスト: 北米の需要正常化と販社在庫健全化価格ディシプリンの維持水・環境の案件積み上げFCFの継続改善

5. 総合評価

📊 総合評価: 中立
国内堅調×水・環境の増収×FCF大幅改善で足腰は強い。年央予想の達成見通しも維持。
🚨 ただし北米機械の減販/関税影響が重く、アジアの需要鈍化も残る。値引き規律・在庫回転・関税の平準化が来期の再評価トリガー。

→ クボタ(6326)は、関税逆風と北米減販をいなしつつ、水・環境の底堅さと運転資金の改善でキャッシュ創出を高める局面。価格ディシプリンの維持と北米の需要正常化が、利益回復と資本効率の両立を後押しする。

投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。