カカクコム(2371)-2026年3月期2Q決算
1. 概要(2025/4–9 累計)
✨ 連結: 売上収益448.6億円(+23.4%)、営業利益138.4億円(▲1.4%)、営業利益率30.9%(▲7.7pts)。2Q単体は売上229.0億円、OP65.6億円で、上期は増収・ほぼ横ばい利益の着地。
🍽️ 食べログ: 売上189.3億円(+20.9%)・セグ利益108.6億円(+23.5%)。オンライン予約人数3,069万人・予約契約店舗9.0万店・広告契約店舗6.04万店と主要KPIが過去最高。
🛒 価格.com: 売上115.9億円(+3.5%)・セグ利益61.4億円(+21.1%)。PC/ブロードバンド/カードローンが牽引し、利益率改善。
💼 求人ボックス: 売上96.2億円(+69.7%)。一方、セグ損益▲3.69億円(2Q単体▲7.24億円)。TV/屋外広告などブランド投資をQ1比約2倍に拡大し、月間利用者数1,247万人・稼働アカウント1.45万まで拡大。
🌱 インキュベーション: 売上47.3億円(+23.0%)・セグ利益11.1億円(+26.3%)。LiPLUS連結とトラベル/不動産の寄与で増収増益。
2. 通期見通しと資本政策
📊 通期会社計画: 売上920億円(+17.3%)、営業利益280億円(▲4.4%)、OPM30.4%を据え置き。下期も求人ボックスの成長投資継続で費用比率は概ね2Q水準を想定。
💸 キャッシュ/配当: 9月末現金等408.7億円。配当性向50%以上を基本に、総還元性向80%上限で自社株/特別配当を機動運用。
🧭 中計(FY30/3): 連結売上1,430億円・OP530億円(5年CAGR+13%)。セグ別では食べログ売上540億/OP300億、求人ボックス売上500億/OP150億を目標。
3. 事業トピック(投資家視点)
🧩 生活領域の拡張: 2025/10/1「価格.comくらしサポート」を開設。高集客×LiPLUSの1to1マッチングで、不用品回収/庭手入れ/クリーニング/空調/電気/水回りの6領域からスタートし、約5兆円規模の市場攻略を目指す。
🍽️ 食べログのモメンタム: 広告/予約の両輪で継続拡大。予約ARPUは上昇基調、インバウンド予約は全体の約2%とまだ余白が大きい。業務支援(ノート/オーダー/仕入)のクロスセルでLTVを深掘り。
🔎 価格.comの安定性: PC・通信・金融の主力カテゴリが堅調。広告比率の適正化と手数料率改善でセグ利益率が高水準に復帰。
💼 求人ボックスの投資回収: 代理店チャネル×直販で売上は高成長。個別企業アカウントの増加でARPUは一時低下するが、裾野拡大→モネタイズ最適化で収益化フェーズへ漸進の想定。
4. リスクと成長要因
⚠️ リスク: 広告・送客単価の変動、景況感による外食/求人需要の振れ、人件費・広告宣伝費の上振れ、LiPLUS含むM&A取得資産の減損リスク、個人情報/セキュリティ対応コスト。
🚀 成長要因: 食べログの予約KPI拡大、価格.comの高収益維持、求人ボックスのブランド浸透と稼働アカウント増、くらしサポート×LiPLUSの面展開による生活領域の非連続成長。
5. 総合評価
📊 総合評価: やや良好
✅ 食べログの強いKPIと価格.comの収益率改善で基礎体力は盤石。求人ボックスの積極投資は短期利益を押し下げるが、トラフィック/アカウント基盤の拡大は中期価値に資する。
🚨 短期はOPM圧迫と投資回収のトラックが焦点。くらしサポート×LiPLUSの立ち上がり速度と求人ボックスのARPU最適化が評価上振れのカタリスト。
→ カカクコム(2371)は、「食べログの予約ストック化×価格.comの安定収益」を土台に、求人と“くらし”の新規軸で成長の幅を拡張。投資期を許容できる投資家には、中期の収益逓増シナリオが見える。
投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。