本田技研工業(7267)-2026年3月期2Q決算
1. 概要(2025/4–9 上期)
✨ 連結: 売上10兆6,326億円(▲1.5%)、営業利益4,381億円(▲41%); マージン4.1%(▲2.8pts)、親会社中間利益3,118億円(▲37%)。為替は期中平均USD/JPY 146。
🏍️ 二輪: 販売1,076万台(+3.7%)、営業利益3,682億円(+13%)・率19.2%(+1.2pts)で上期過去最高。アジア/南米が牽引し、価格改定とコスト改善が寄与。
🚗 四輪: 営業▲730億円(前年+2,580億円)。EV一過性費用▲2,237億円と関税影響▲1,581億円が重く、価格改定・原価低減の効果を相殺。販売は168万台(▲5.6%)。
💳 金融/PP: 金融は環境変化で減益、パワープロダクツは横ばい。地域では日本/北米の利益減をアジア/その他の堅調が部分補完。
💵 CF/財務: 営業CF 8,713億円、投資CF▲1,107億円でFCF 7,606億円(いずれも事業会社ベース)。R&D調整後営業CF 1兆2,813億円と創出力は堅調。
2. 通期見通し・資本政策(下方修正/配当維持)
📉 会社計画: 売上20.7兆円(▲4.6%)、営業利益5,500億円(▲54.7%)、**当期利益3,000億円(▲64.1%)**へ修正。四輪販売 3,340千台(▲280千台)に下方、二輪 21,300千台は維持。半導体供給不足▲1,500億円を織り込み。
💸 株主還元: 年間配当70円(中間35/期末35)を維持。自己株は明示なく、まずは投資・体質強化を優先。
🧮 感応とブリッジ: 為替は通期USD/JPY 145前提。売価/コスト改善+2,800億円を積む一方、為替▲3,850億円・関税▲2,140億円など逆風を織り込み、営業利益5,500億円を見込む。
3. 事業トピック(投資家視点)
🏍️ 二輪の強度: アジア量販×南米高付加価値で数量×価格×ミックスが好循環。構造利益の底上げで全社の安定収益源に。
🚗 四輪の課題: EV一過性費用・関税が重く、北米の販売奨励金/価格規律と原価低減で是正中。半導体制約は通期も残る想定。
🔋 電動化の現実路線: HEVはH1 455千台(前年420千台)へ伸長、PHEV/EVは限定的。ラインナップ再設計と投資配分見直しで赤字EVの負荷を早期に減衰させる構え。
🏦 財務の粘り: 事業会社のネットキャッシュ3.05兆円、R&D調整後営業CFは高水準で、投資・在庫是正・還元の選択余地を維持。
4. リスクと成長要因
⚠️ リスク: 相互関税の長期化、半導体供給の再逼迫、EV関連の追加一過性費用、為替(アジア通貨/ドル)、販売奨励金の増加。
🚀 成長要因: 二輪の数量・ミックス改善の継続、四輪の価格規律×原価低減の定着、HEV中心の現実解での収益回復、北米の投入車種刷新と中国・ASEANの在庫正常化。
5. 総合評価
📊 総合評価: やや厳しい
✅ 二輪の過去最高益と潤沢なCF・ネットキャッシュは全社の下支え。売価/コスト改善の余地も残る。
🚨 ただし四輪のEV一過性費用+関税で利益の毀損が大きく、半導体/為替の外部要因も重い。四輪の赤字縮小とH2のFCF継続確保が再評価の必要条件。
→ 本田技研工業(7267)は、二輪の強い稼ぐ力を軸に、四輪のEV関連負担と関税逆風をいかに早期に圧縮し、価格・原価の規律を定着させるかが焦点。通期は防御姿勢だが、H2の実行度合い次第で来期の利益回復トレンドに乗れる。
投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。