富士通(6702)-2026年3月期2Q決算

1. 概要

売上収益: 1兆5,665億円(前年比+0.9%、再編等除く+3.6%)で着実に増収、国内は+8.9%と堅調。調整後営業利益は1,213億円(+83.6%)でマージン7.7%へ改善。当期利益は資産売却益計上で2,620億円と過去最高水準。
💰 コアFCF: 1,642億円(+704億円)と増加。売却収入でフリーCFは4,267億円、ネット有利子負債はネットキャッシュに転換。
🚀 サービスソリューション: 売上1兆0,665億円(実質+6.4%)・調整後営業利益1,196億円(利益率11.2%)。国内DX/モダナイ伸長、海外は為替影響で減収も採算改善。
🧩 Uvance/モダナイ: Uvance売上3,110億円(+55%)、モダナイ売上1,101億円(+33%)と高成長が継続。

2. 2026年3月期(FY2025)通期見通し

📊 売上収益: 3兆4,500億円(前年3兆5,501億円)で横ばい圏、調整後営業利益: 3,600億円(10.4%)を据え置き。セグメントではサービスソリューションの利益率15.5%計画を維持。
💵 資本政策/CF: 通期コアFCF3,800億円見込み(調整項目含む)。投資抑制と運転資本効率化でキャッシュ創出を重視。
🌍 前提: 下期為替前提はUSD/JPY 146等、為替感応度を織り込みつつ見通し不変。

3. セグメント別動向(上期実績)

🖥️ サービスソリューション: 国内+8.9%でDX/モダナイ案件が伸長、グロスマージン+2.0ptで採算改善。受注残・カバー率は前年同水準で下期も視界良好。
🧠 Uvance/コンサル強化: Vertical/Horizontalとも2桁成長、受注も高水準。国内Data&AIの地位強化へブレインパッドのTOB(10/31–12/15)を決定。
🛠️ ハードウェアソリューション: 売上は基準変更影響やアジアの選別で減収、採算重視で利益は改善。ネットワークは基地局・光伝送の増収と採算改善。
💻 ユビキタスソリューション: Windows10サポート終了需要や為替要因で増益、利益率19.2%へ。

4. リスクと成長要因

⚠️ リスク: 為替・金利・景気の変動、価格競争、調達環境、規制・税務、品質・不採算PJ、投資・再編の実行、自然災害など。海外は為替逆風の継続に留意。
💡 成長ドライバー: 生成AIのPJ適用拡大(国内SE/協力会社に生成AI環境提供、総PJの約3割で活用)、JGGによる標準化とデリバリ強化、価値ベースのプライシングでグロスマージン改善。

5. 総合評価

📊 総合評価: 良好
国内サービス主導で増益・高CFを確保、利益率改善とUvance/モダナイの構造的拡大が通期10%超マージンを下支え
資産ポートフォリオ再編で財務体質が一段と改善、ネットキャッシュ化で攻守の選択肢が拡大
🚨 為替・海外需要とハードウェアの選別によるトップラインの伸び鈍化は注視、下期の受注消化力が鍵

→ 富士通(6702)は、国内サービスの採算改善とUvance/モダナイの拡大で収益基盤を強化。財務の健全化とData&AI強化(ブレインパッドTOB)により中期的なROIC/FCFの質向上が期待される。

投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。