ファナック(6954)-2026年3月期2Q決算

1. 概要

上期(4–9月): 売上高4,076億円(+5%)、営業利益860億円(+14%)、営業利益率21.1%(+1.6pts)、純利益798億円(+14%)。稼働率改善とミックス好転で利益率が上昇。
📈 2Q(7–9月): 売上2,112億円(+9%)、営業利益435億円(+2%)、OPM20.6%。部門別売上構成はロボット43%・FA26%・ロボマシン14%・サービス17%
🌎 地域: 米州が売上+18%(構成28%)と力強く、中国も+26%(構成26%)で回復。国内は▲8%(構成13%)も前期比では持ち直し。
🧾 受注: 上期受注は前年同期比+11%で堅調。特に**ロボット受注+38%**とモメンタムが強い。

2. 2026年3月期(FY2025)通期見通し

📊 会社計画: 売上高8,188億円(前回比+1.5%)・営業利益1,759億円(+10%)・純利益1,573億円(+10%)。OPM21.5%へ改善見込み。
💱 為替前提: 下期想定は
USD/JPY 140、EUR/JPY 165
。コスト/価格・部材調達の最適化で為替・原価の逆風を吸収。
💡 評価: 過去最高水準に近い売上レンジへ復帰しつつ、21%台のOPMを確保する計画は質が高い。

3. セグメント/地域トピック(投資家視点)

🤖 ロボット: 米州・中国中心に自動化投資が再加速。2Qは売上+16%、受注+39%。高剛性・防滴対応のM-810シリーズや長腕機で適用領域を拡大。ウェット加工デモの反響大。
🟡 FA(CNC/サーボ): 中国で堅調、欧州・国内も底堅い。新CNC「Series 500i-A」×「αi-D SERVO」で高精度・省エネ・セキュリティを訴求、工程集約ニーズ取り込み。
🟩 ロボマシン: 市況は選別ながら、新型
ROBODRILL D74CS
で基本性能を底上げ、ロボット連携の自動化提案で需要を下支え。
🌍 地域: **米州(構成28%)**はDC/EV/一般産業で幅広く強い。**中国(26%)**はFA・ロボットの回復が顕著。**欧州(17%)**は機械景況感は弱いが、EMOを契機に高級機向けCNCの採用拡大を狙う。

4. リスクと成長要因

⚠️ リスク: 欧州の景況弱含み、米中通商・関税の変動、為替、部材/人件費、装置投資サイクルの反動。
🚀 成長ドライバー: 米州・中国の自動化/省人化投資高付加CNC×ロボットの一体提案、デジタルツイン・サイバーセキュリティ対応の付加価値、サービスストックの積み上げ。

5. 総合評価

📊 総合評価: 良好
地域分散(米州・中国)とプロダクトの厚み(FA×ロボット)で受注/売上とも復調、OPM21%台の持続性が見えてきた
✅ **ガイダンス上方修正と新製品群(500i-A、M-810、D74CS)**は来期以降の成長持続性を示唆。
🚨 一方、欧州の需要弱さと通商・為替のブレは依然残存。案件執行と供給安定のオペレーションが鍵

→ ファナック(6954)は、FAとロボットの両輪で“高付加価値の自動化”を深掘りし、地域分散で景気の波をいなす体制。OPM21%台と上方修正で収益力の底上げを確認し、次は欧州の需要回復とサービスの積み上げが評価の上振れ要素となる。

投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。