ENEOSホールディングス(5020)-2026年3月期2Q決算
1. 概要(2025/4–9 上期)
✨ 連結: 営業利益1,667億円(+207億円)、在庫影響▲1,068億円、在庫影響除き2,735億円(+653億円)。親会社純利益648億円(▲34億円)。白油マージンの改善と海運事業売却益が寄与。
🧭 セグメント: 石油製品ほかは在庫影響除き547→1,781億円と大幅改善。石油・天然ガス開発は油価/円高で467→273億円へ減益。電気は142→187億円へ増益、機能材は概ね横ばい。
💵 CF/財務: 営業CF3,343億円、FCF2,113億円。ネットD/E 0.47、持分比率**35.8%**と安定。
2. 通期見通し(2026年3月期)
📈 会社計画: 売上11.4兆円、営業利益2,900億円(▲700億円下方)。在庫影響除き4,200億円(+100億円上方)。親会社純利益1,350億円(▲500億円下方)。期中前提はドバイ$67/バレル、USD/JPY 148。
💡 内訳(在庫影響除き): 石油製品ほかはタイムラグ▲270億円を除くと実質増益、電気+90億円、機能材+30億円、その他+30億円。上流▲50億円。
💸 株主還元: 年間配当34円(+4円)に増額。総還元性向は在庫影響除き当期利益の50%以上を方針とし、進捗に応じて自社株買いを機動的に判断。
3. 経営トピック(投資家視点)
🛠️ ROIC改善×ガバナンス: 連結会社のゼロベース再評価・再編を継続、実質会社数は25/9末で535→532へ減。天然ガスはENEOS Xploraへ統合、電気・再エネは機能統合で利益最大化を狙う。
🤖 AI×DX: AIイノベーション部を新設し、製油所の常時自動運転、配船最適化、需給最適化(VPP/蓄電池制御)、レポーティング自動化などの適用範囲を拡大。保全DXで稼働率向上も推進。
🌱 中計投資: 25–27年度 事業維持・戦略投資1.56兆円の枠内で、米バイオ燃料(Kapolei SAF)等を進捗。アロケーションはゲート審査で厳格化。
4. リスクと成長要因
⚠️ リスク: 油価・為替変動(在庫影響/タイムラグ)、設備稼働/保全、規制強化、上流の数量・コスト。
🚀 成長: 白油マージンの構造改善、電気の数量増×コスト見直し、機能材のマージン改善、グループ再編とAI活用による固定費逓減、FCF創出力の強化。
5. 総合評価
📊 総合評価: やや良好
✅ 在庫影響除きの実力ベースで上方修正、配当34円へ増額、FCFプラス基調、ROIC改善策の具体化を評価。
🚨 注目点は在庫影響/タイムラグの振れと製油所稼働・保全DXの成果。電気の増益持続とAI×再編による費用逓減が来期のEPS・ROE改善に直結。
→ ENEOSホールディングス(5020)は、白油マージンの改善と電気の増益、再編×AIで“実力EPS”を押し上げ、在庫影響のブレを超えて資本効率の底上げを狙う局面にある。
投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。