シチズン時計(7762)-2026年3月期2Q決算
1. 概要(2025/4–9 上期 & 2Q)
✨ 連結: 上期は売上1,592億円(+1.7%)、営業利益129億円(+5.3%)、経常161億円(+32%)、中間純利益118億円(微減)。2Q単は売上839億円(+4.1%)、営業利益82億円(+8.4%)で増収増益を継続。
🧭 事業環境: 時計は北米で“シチズン”“ブローバ”が計画超、自社ECと高単価ミックスの進展でOP率13.2%まで改善。工作機械は海外(米州・欧州・中国)堅調だが原価・費用で率一服。デバイスは自動車部品/小型モーターの足踏みで減収減益。
💱 為替: 上期平均は概ねUSD/JPY146、EUR/JPY167。通期前提はUSD/JPY146、EUR/JPY168。
2. 通期見通し(上方修正)
📈 会社計画: 売上3,270億円(+90億円上方)、営業利益245億円(+45億円)、経常290億円(+70億円)、純利益220億円(+20億円)に上方修正。下期は売上1,677億円・営業115億円を見込む。
🧭 セグメント前提: 時計 売上1,860億円・OP220億円(+60/+35)、工作機械 売上790億円・OP64億円(+35/+4)、デバイス 売上620億円・OP24億円(▲5/+4)。
3. セグメント別動向(投資家視点)
⌚ 時計: 上期売上893億円(+4.2%)・OP117億円、2Q単も売上478億円(+8.4%)・OP73億円と好調。北米は百貨店・宝飾チェーン×自社ECが拡大、“アテッサ”“シリーズエイト”“ブローバ150周年モデル”が牽引。国内はインバウンド想定未達もプレミアム強化で販売単価上昇(21年度比 国内+39%、北米+31%)。
🛠️ 工作機械: 上期売上385億円(+3%)・OP26億円(率6.9%)。米州の医療/ジョブショップ、欧州の医療、中国の半導体が牽引し受注は海外主導で回復。一方、コスト・価格競争で率は一服。独新本社建設・北上新棟で供給/サービス体制を強化。
🔌 デバイス: 上期売上313億円(減収)・OP16億円(率5.2%)。自動車部品/小型モーターは需要鈍化、**セラミックス(光通信向け)**は増収。収益性改善策を継続。
4. リスクと成長要因
⚠️ リスク: 為替の変動、米関税や物流を含むコスト上振れ、国内需要/インバウンドの不確実性、設備投資サイクル(工作機械)。
🚀 成長: 北米でのEC×プレミアム強化、ブランド150周年企画の波及、医療/半導体向け中心に海外工作機械の拡販、デバイスの製品ミックス見直しによる利益率の底上げ。
5. 総合評価
📊 総合評価: 良好
✅ 時計の強い収益牽引(単価×EC×北米)と通期上方修正でEPS上振れ余地。工作機械の海外回復とデバイスの施策で全社の下振れ耐性も向上。
🚨 注目点は国内需要/インバウンドの戻り、工作機械の価格規律×受注継続、デバイスの改善速度。四半期ごとにOP率の持続性を検証したい。
→ シチズン時計(7762)は、北米を軸にプレミアム強化と自社ECの拡大で“利益の質”を高めつつ、工作機械の海外シェア拡大とデバイス再建で成長と安定の両立を図る局面にある。
投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。