Appier Group(4180)-2025年12月期2Q決算分析
1. 概要
✨ 売上収益103億円(+27%/為替中立110億円+35%)で四半期過去最高、売上総利益58億円(+38%)・GM56.1%に改善。EBITDA17.9億円(+67%)・営業利益8.06億円(+130%)と利益の伸びが売上を上回る。四半期純利益5.57億円を確保。
🌏 地域は米州/EMEA+37%(為替中立+48%)、北東アジア+26%(同+35%)と複数エリアで拡大。地域構成は北東アジア67%、米州/EMEA20%、GC10%、SEA3%。
🧠 生成AIの効率化・高マージン製品比率の上昇・既存事業の継続的改善でGM/OPMとも上振れ。AdCreative.aiの連結で費用は増加も、生産性改善によりOPM7.8%(為替中立・買収費用除き約9.4%)まで引き上げ。
2. 2025年通期見通し(会社計画)
📊 売上455億円(+27%)・売上総利益252億円(+33%)・EBITDA78億円(マージン17.1%)・営業利益41億円(マージン8.9%、+104%)を計画。既存事業ベースでは営業利益48億円(11%)・EBITDA84億円(20%)と更に高水準を見込む。期末配当は1株2.25円予想。
💡 着地イメージ:為替逆風・M&A統合費用を吸収しつつ、生成AIの活用でプロダクトミックス改善とオペレーティング・レバレッジを進め、H2にかけて収益性の一段改善を織り込む。
3. 事業KPI(2Q時点)
📈 ARR389億円(+28%)でリカーリング比率95%以上を維持。LTM NRRは120%と高水準、顧客数1,992社(+14%)。ARPCは為替中立+12.6%と単価拡大も進展。月次解約率は顧客/売上とも約0.29%で低位安定。
🧑💻 生産性は従業員1人当たり売上総利益744万円(過去最高)。人員最適化と社内AIエージェントの活用が効率化を牽引。
4. 成長ドライバー/事業アップデート
🤝 AdCreative.aiの統合でクリエイティブ自動生成×予測最適化を強化し、広告/パーソナライズ/データ各クラウドのクロスセルを促進。
🧩 ファーストパーティデータ前提の世界で推論精度/スピードを武器にROI可視化を深化(CrossX/AIQUA/AiDeal/AIXONの連携強化)。
🎛️ コスト構造:S&M/G&A比率は改善傾向、R&Dは規律を保ちつつ強化。H2に向けOPレバレッジのさらなる進展を見込む。
5. 財務・キャッシュ
💵 手元流動性2,041億円(現金等105.8億円・定期預金36.5億円等)。借入金93.8億円でM&A関連を反映。コアFCFは四半期でプラス転換(年初来は▲16.3億円)。資本政策は成長投資優先のうえ配当実施でバランス。
6. リスク/注視点
⚠️ 為替(円高で円換算売上/利益の逆風)、広告需要のボラ、クラウド/推論コスト上振れ、データ/プライバシー規制、M&A統合進捗。一方、米州/EMEAの拡大と高マージン製品の伸長で吸収余地。
7. 総合評価
📊 総合評価: 良好
✅ 売上・粗利・利益の三段ロケットで過去最高更新、KPI(ARR/NRR/ARPC/生産性)も質的に良化。
✅ 生成AI×AdCreative.aiのシナジーでOPMの段階的改善が視野。地域多角化でモメンタムは持続。
🚨 為替・規制・統合費用のブレは残るが、高マージンミックス×レバレッジにより通期計画の達成/上振れ余地を評価。
→ Appier Group(4180)は、生成AIを核に“データ×予測×クリエイティブ”を統合したROIドリブンのプロダクト群でストックを積み上げ、米州/EMEAと北東アジアの両輪で成長加速—OPレバレッジの進展により、通期で利益率改善トレンドを明確化する局面。
投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。