アンリツ(6754)-2026年3月期2Q決算
1. 概要
✨ 売上高: 517億円(前年同期比 ▲3%); 営業利益: 50億円(+41%); 当期利益: 38億円(+70%)。コストコントロールとミックス改善で減収ながら利益は伸長。
📶 通信計測: 売上309億円(▲9%)・営業利益39億円(+55%)。価格と原価の最適化が進み、2Qの営業利益率は16.3%と高水準。
🧪 PQA(食・医薬品検査など): 売上145億円(+12%)・営業利益15億円(+37%)。国内インバウンド需要や投資再開で堅調。
🌿 環境計測: 売上29億円(▲17%)・営業損失1億円。EV/電池試験装置に関税影響が顕在化も、2Q単体では採算改善の兆し。
💵 キャッシュフロー/財務: 営業CF85億円(営業CFマージン16.4%)、フリーCF71億円、期末現金等546億円・有利子負債61億円でネットキャッシュ基調。
2. 2026年3月期(FY2025)通期見通し
📊 ガイダンス据え置き: 売上高1,230億円(+9%)・営業利益150億円(+24%)・当期利益110億円(+19%)。
🧭 セグメント計画: 通信計測 売上770億円/OP120億円(+43%)、PQA 売上300億円/OP30億円、環境計測 売上100億円/OP9億円。為替前提はUSD/JPY 145・EUR/JPY 160。
🚀 需要環境: AI/グリーンDC向けの光/無線インフラ投資が回復基調、5G利活用(自動車/IoT)も底上げ要因。6Gは基礎研究フェーズ継続で、開発投資の立ち上がりは中期視点。
3. セグメント別トピック(投資家視点)
📡 通信計測: データセンター向け高速光評価でポジショニング強化。1.6T光トランシーバー評価ソリューション投入(200G/Lane×8ch)により800G→1.6T移行の波を先取り。受注は2Qに前年同期比+19%と改善。
🧫 PQA: 食品・医薬の品質/安全規制の強化と訪日需要の回復が追い風。AI判定機能などで検査自動化の付加価値を高め、ストック性のあるサービス収入の積み上げが収益安定化に寄与。
🌎 環境計測: EV/電池投資の選別継続で需給は不安定ながら、光ファイバセンシング等の社会インフラ案件で底堅さ。地域別では米州/DC関連が徐々に回復、日本・北米の汎用測定器も持ち直し。
4. リスクと成長要因
⚠️ リスク: 米国相互関税・地政学による設備投資延期、為替と原材料、人件費上昇、DC投資サイクルの変動、6G開発投資の時期遅延。
🌟 成長要因: AI/グリーンDC案件の拡大、1.6T/800G等の高速光化、O-RAN/RedCapや衛星通信(NTN)など5G利活用の裾野拡大、価格戦略と原価低減の継続によるOPMの逓増。
5. 総合評価
📊 総合評価: やや良好
✅ 減収下でも採算改善と費用規律でOP+41%を達成、2Qの通信計測OPM16%台は質的改善の証左。
✅ 通期据え置きは保守的ながら、AI/DC向け高速光の案件獲得とPQAの安定成長で上振れ余地。
🚨 一方、環境計測は外部環境に左右されやすく、6G投資の本格化は時期不透明。四半期の受注の継続性と価格維持がウォッチポイント。
→ アンリツ(6754)は、AI/データセンター需要の再加速を追い風に高速光計測で優位を確立しつつ、PQAの粘り強い成長で収益の底を固める構図。ガイダンス達成確度は高まりつつあり、次の成長ステップは6G投資サイクルの立ち上がりと光・無線のクロスセル拡大にかかる。
投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。